1. HOME
  2. episode14
  3. 太陽が消えた日[06]

episode14:太陽が消えた日[06]

  1. 武士「おー美咲、おまえ、食い物買いすぎじゃね?」美咲「夕食作りに使えそうと思ったらつい…」美咲「おやつばっかの武士とは違うんですー」武士「帰りの飛行機でハラ減るだろ」美咲「あれ全部、飛行機で食べるつもりなの!?」美咲「やっ…山口くんのは、ほんとにあれでよかったと思う?」武士「大丈夫っしょ」美咲「じゃあ、お土産はこれで全部だよね?」武士「あー……」
  2. 武士「よ、4組の女子に、お土産交換しようって言われてたの忘れてたなー」美咲「それさっき買ってなかった?」武士「あ、あれ、さ、3組かな…」美咲「………」「わかった、噂の女子大生だ」武士「いや、違…」美咲「違わないでしょー。バレバレだよ、顔に出てるし!」武士〈もし〉
  3. 武士〈その女子大生が、あの事件の関係者だと知ったら、美咲はどう思うだろう〉「………」美咲「前から思ってたけど、武士ってちょっとシスコンよね」武士「なっ…!?」美咲「幼稚園の頃は、隣の組の先生だったよね」「小3の頃は同じ塾の6年生だったし」
  4. 美咲「知ってるだけで100パー年上」武士「おまえそれ、学校のやつらに言ってないだろーな…」美咲「言わないよ、こんなこと。学校で武士のこと話す機会ないし」「あ、でも」「事故のこと、山口くんに話しちゃった」武士「…ま、いいんじゃね、あいつなら」
  5. 美咲「なーにがいいのかなっ、女子大生のお土産〜」武士「………」〈あのひとは、一ノ瀬さんはあの事件に巻き込まれただけ…〉
  6. 武士〈今はまだ、するべき行動と隠しておきたい気持ちの間で揺れてるけれど、週末会ってくれるのは、前向きに『協力』を考えてくれてるからで、一ノ瀬さんが心を決めたら、俺は行動に移すのを手助けしてあげて、それで俺の役目は終わり〉武士(大丈夫、俺は何も後ろめたいことしてない)武士〈今はまだ言えないだけ。一ノ瀬さんと約束したから〉美咲「武士!」
  7. 美咲「やっぱお土産は消え物だよ。雑貨は好みがあるし」「無難にお菓子」武士「甘いの好きじゃなさそうなんだよなあ。いつもコーヒー、ブラックだし」美咲「じゃあ、甘くないやつ」武士「父ちゃんと同じのはちょっと…」美咲「じゃあこれは!?実用的でいいかも!」武士「なんっか違う…」美咲「うーん、難しいねえ」武士「なあ美咲。この…ウサギみたいなのって何?」
  8. 美咲「『ドリバニィ』だよ。DWJ(ドリワ)のキャラクター」武士「ドリバニィ」美咲「グッズいろいろ出てるよね。それ、沖縄限定のやつじゃない?」武士「ふーん…」美咲「えっ、それ!?買っちゃう!?」「そういうの好きなひと…?」武士「んー、どうだろ…」美咲「わかんないのに買ったのー??」
  9. 武士「念のため、もうひとつ買うかなー。無難な消え物」美咲「えーもう時間ないよ。お昼も食べなきゃ」武士「もう修学旅行も終わりかあ」

和気藹々とお土産選びをする中、拉致事件の被害者である美咲を前にして、その加害者側の関係者である那津のことを思い出し、罪悪感を感じる武士。

これまでの那津の言動を思い出し、きっと解決に繋がるはずだと自らに言い聞かせるが…。

そして修学旅行が終わろうとする頃、遠く離れた北海道で、康文は静かにその時を迎えようとしていた。

ページ上部へ戻る